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【SS】目が覚めたら…?
第8章 【2000拍手突破感謝】Ⅱ.執事の憂鬱
 

「アイドル気取りの、腐れ外道。

身の程知らずの現実が、まだわからないか」



 ナツが切れた。

 ブラックナツだ。



「そのよく回りすぎる薄汚ぇ口を、針で縫い合わせてやるか? あ゛~!?」



 ウサギの恫喝に、誰もが言葉を失った。 

 その中で波瑠さんは愉快そうに微笑んでいる。

 ナツを止める気はないらしい。


 だったら俺はどうすれば……。


「こ、ここ…このウサギ野郎!! なにはったりカマして……」


 ナツの目にキラリと殺気が宿る。

 そして珈琲のスプーンを手に取ると、俺が止める間もなく手を払うようにして投付けた。

 それはHaruの頬ぎりぎりのところを通り抜け、後ろの壁に突き刺さる。


 コンクリートの壁に、スプーンが深々と。



「表に出ろ、この元ヤンキー。この僕が直々に相手になってやる」


 ナツがボキボキと手の指を揺らす。


「光栄に思え」


 ゆっくりとフードをとったその頭を回して、殺気光線を放った。


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