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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
 

 窓から見れば……三歳くらいの小さい男の子が、泣きながら歩いている。

 親とはぐれたのか、車が見つけられないのか。


 だからあたしは車から降りた。


 この車は高級すぎるから、あたしはまた戻ってこれる。


 とりあえずあの子を、警備室か病院かに連れて、探しているだろう親と連絡がつく状況にしてあげないと……。
 

「どうしたの、ボク」


 するとその子はあたしを見た。

 女の子のような……まるで天使のような可愛い子だった。


「おかーたんがいないのぅ。おかーたん、うわあああん」

「お姉さんが一緒に探してあげるから、泣かないの」


 頭を撫でると、その子は言った。


「本当?」

「本当」

「だったら、抱っこ」

「………」


 今の子は……人見知りはしないのだろうか。


 とりあえず抱っこをしてみれば、結構腰にくる。

 それを知らずに男の子はきゃっきゃと悦び、そして……。


「な、なに!?」

「おっぱい。ちゅうちゅうするの」


 襟を勝手に開いて、あたしの乳首に吸い付いたのだった。


「――っ!! あ、いや……ぁっ」


 ハル兄を思い、欲情していたあたしは体内の燻った火がまだ残っていた。そこに突然の強い刺激。思わず声を漏らしてしまった。


 男の子は乳首と戯れる。

 強く吸ったと思えば、噛みつく。手で引っ張る。


「出て来ない、出て来ない。あれ?」


 母乳などでるわけもないのに、出てくるまで執拗に乳首をあれやこれやと責めてくるのは、もうこれは幼子の所作ではなく、女の体を知ったオトコの手練だ。

 それがわかりながら、痺れるような快感に喘ぎ始めたあたしは、元旦早々……痴女に成り下がっている。


 さらには駄々をこねた男の子の靴が脱げ、その暴れる足があたしの秘部を掠める。


「あ、あああん……や、ぁああっ……」


 脳裏にハル兄が浮かぶ。

 まるで焦らされているようで。


 あたしは卑猥な幼子を抱き留めながら、ひとり自慰に耽っているかのよう。




 そして――。



「コラ、シズ。なに浮気してやがんだ」


 戻って来た帝王に、またこんな恥ずかしい痴態を見つかってしまう。
 
 今さら襟を正しても遅かった。


 ハル兄はお怒りの形相だ。
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