この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第9章 【2000拍手突破感謝】Ⅳ.憂鬱の向こう側
 

「ここだけの話、あいつの案で爆弾予告が入ったように見せかけ、その宣伝場所を確保してんだよ。これ、絶対しーっだからな、ロリちゃんだから言うんだから。ばれたら減給どころの話じゃないからな」


 ああ――。

 こりゃハル兄に言いように転がされているな、単純ウサギ。

 ハル兄は、この場所でなにかをしたいんだ。


 この場所、ドームの入り口で。


 完全に職権乱用している警部補は、あたしに耳打ちしてこっそり感を打ち出しているけれど、奇抜な格好をしている時点で周囲から奇異の眼差しを向けられ、目立っていることに気づかないのだろうか。

 そこまで頭が回らないほど、宇佐木呉服店は存亡の窮地に立たされているのだろうか。


 それなら、お着物買ってあげた方がよほど現実的に思うけれど。


「そういやロリちゃん、正月……振り袖着たんだって?」

「へ?」


 ウサギが腕組みをしながら、唐突な話題を投げて寄越した。

「あのハルがロリちゃんに着せたいと、かなり昔から、すげぇ高い黒の加賀友禅の振り袖を買ってたんだよ。おおそうだ、弟ちゃんもそれに負けず劣らずかなり前に、反物で真っ赤な着物地を買っていったんだがよ、あいつうちの店に修行しに来て、素人のくせにプロ顔負けに見事に仕立てたんだ。で、ロリちゃんはどっちの振り袖が気に入ったんだ?」

「え、あたしは……」


 あたしは今まで着物なんて着たことはない。

 着てたのは、あたしの初夢で……。


「ハルは正月、弟ちゃんは2日。立て続けに写メつきのメールが届いて、ふたりともすげぇ惚気てたぞ? そりゃあ宇佐木呉服店の自慢の逸品だから、実物のロリちゃん、写メより数倍増しの美しさだったろうけどよ」


 ねぇ、初夢なのに……

 どうしてあのふたりが喜んでいるの?


 正直、お正月は贅沢にも食べて寝て遊びすぎて、夢なのか現実なのかよくわからない、ぼんやりとした記憶しかない。


――卑猥の神様ぢゃ。


 なんか変な声がしてたように思うけれど。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ