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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
 

 そして、ポルシェの前に戻って来たあたし達。

 ポルシェ独特の流線美は、なんとも艶めかしい。


「そうだシズ。お仕置きだからな」

「へ?」

「お前……あんなガキにも感じていたんだろ」


 いきなり時を戻され、直球を食らう。

 心臓に悪い帝王様は、かなりご機嫌斜め。

 アキくんへのスマイルはどこへ?


「俺に散々感じていたくせに、なんであんなガキまで……」


 ひぃぃぃぃ。

 怒りが爆発しそうな気配に、あたしは叫ぶ。
 

「仕方が無いじゃんか!! お触り中途半端でやめて行くんだもの。それじゃなくてもハル兄が欲しくてたまらない時に、あんなところにちゅうされたりしたら……ハル兄にされているように思えて……」


 焦ればボロを出す。

 学習能力のないあたしは……またもや言ってから気づく。


 あたし、今……なにを言った?


"ハル兄が欲しくてたまらない時に"

"ハル兄にされているように思えて"



 Where is the hole?

 I want a big hole!!!!



 突然ハル兄が後方から羽交い締め。

 やばい、殺される……?



「だから……そういうこと言うなよ、お前」


 喘ぐような声が、熱い息と共にあたしのうなじに掛かる。

 そして、そのままハル兄ごとパルシェのボンネットへ座らせられた。


 あたしはもう――

 帝王様に捧げられた、無防備な生贄の羊だ。



「お前またオナったのか? 俺を思って」

 
 メェメェ、メェメェ(それ以上は追いつめないで下さい)。



 耳に囁かれる、羞恥を促す……甘い甘い声。


「そんなに……俺としたかったの?」


 嬉しそうな声が鼓膜に直接響いた。



 耳殻を舌先でなぞられ、耳朶を唇で吸い付かれる。


 ぶるり。

 ハル兄のこの耳責めが始まれば、ハル兄はとまらない。




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