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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
 


「なぁ、今度は俺にどうされたいと思って、あのチビにオナらせてたわけ?」


 羞恥にかっと体が熱くなり、いやだと体を縮こまらせて身を捩っても、許してくれるような相手ではない。


「答えろよ、可愛いシズルちゃん」 


 わざとねっとりとした舌があたしの項を這いまわり、て前に回ったその手が襟から中に入っていく。


「ぁ……」


 熱い体が、ハル兄の熱にさらに発火しそうだ。


「あんなチビの唾液つけてよ、お前のオトコは誰だって俺言ったっけ?」


 大きくて武骨な手があたしの乳房を直にまさぐる。


「は……んっ、ぁ……、や……」


 真っ赤な着物の中で、卑猥に動いている手。

 あたしの体を知り尽くした指が、強くあたしの胸を揉みしだいている……その妄想だけで、頭が変になりそうだ。


「……あんなガキより、俺の方がいいだろ……? なぁ、オナってばかりのシズルちゃん。どこをどうされてぇの?」


 その指突きは胸の蕾を摘まみ、くりくりと捏ねられる。


「ふ……ああ、ああ……」


 もう自力で座ってられない。

 ハル兄によりかかるようにしながら、あたしはただ息を乱すだけ。


 ハル兄のざらついた舌が、べろりとあたしの首から肩を舐める。

 ハル兄が欲しいと、悶々としていた記憶が蘇り、その渇望していたリアルな感触に……ぶるりと、歓喜に体が震えてしまう。


 ああ、駄目なの。

 ハル兄のその舌の感触……駄目。


 あたしの細胞を、根こそぎ奪うような……そんな獰猛なその舌は。


 否応なく……ハル兄に傾倒しちゃうじゃないか。

 ハル兄しか考えられなくなってしまうじゃないか。



「ハル兄……」


 胸を責められ、肌を責められ……ざわめく快感の波に酔い痴れながら、物足りないのは……ハル兄の顔が見えないから。


 たとえ淫らなあたしを嘲笑っていてもいいから、だから……その顔を見せて欲しい。その瞳で射抜いて欲しい。その口で……ハル兄が欲しいと叫びたくなるあたしの口を塞いで欲しい。


 後ろからだけではなく、前からも……もっとハル兄に包んで欲しい。


「ハル兄、ちゅう……」


 あたしはハル兄の唇を求める。

 お戯れだけでは満足出来ない。


 火がつき始めた体は、止まらない――。

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