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【SS】目が覚めたら…?
第9章 【2000拍手突破感謝】Ⅳ.憂鬱の向こう側
 

 そう微笑ましく見ていたら、気づけば……なぜか観客もステージの者達もあたしの方に向いていて。


「???」


 ハル兄がマイクであたしにステージにあがるように指示をしていたらしい。不遜な態度で、ハル兄があたしにチョイチョイと指先を揺らしている。


 え、この……羨望と嫉妬が入り混ざる針のムシロのような観客の視線を向けられながら、カリスマ帝王と王子と執事が住まう王宮にただの愚民を召喚なされるのはなぜでしょうか。


 あまりに頭が高すぎます、はい!!


 あたしは引き攣った顔で、頭をぶんぶんと横に振って辞退する。


 ちょいちょい。

 ぶんぶん。


 ちょいちょい。

 ぶんぶん。



 ぶちっ(怒)。


 ひっ!!?


「ほら、行きなさいよっ!!」


 委員長に背中を押されれば、人波が割れて道が出来……。



「まったくお前は手がかかる。……来い、シズ」

「おいで、しーちゃん。そんなに怯えないで」


 ステージから下りてきた帝王と王子が、笑いながらあたしの手をそれぞれ(無理矢理)掴んで、あたしを引き摺るようにして歩き出した。

 ステージの袖でモモちゃんが、メガネをクイクイして柔らかく笑いかけてくるが、あたしには悪魔の笑みにしか見えなかった。


 なに?

 なに?



 屠殺場に連れられた仔牛?


 公開処刑?

 公開羞恥プレイ?
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