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【SS】目が覚めたら…?
第9章 【2000拍手突破感謝】Ⅳ.憂鬱の向こう側
平穏を願う平和主義者のあたしが、ぶるぶるがたがた体を震わせた時。
「音楽、Start!!」
ナツのかけ声で、突如始まったアップテンポの曲。
~♪
まさかこれは――。
「"好き好きっ"」
ナツが歌う。
「"好き好きっ"」
ハル兄が歌う。
「"君のHartに"」
モモちゃんまで歌い、視線があたしに向けられれば。
「"ずっぎゅ~ん"」
思わず、深層部分に染みこんでしまっている歌の旋律とフリが出て来て。
「「「"ずっぎゅ~ん"」」」
観客からも返る。
はは、はははは。
楽しい。
楽しいよ。
委員長が見える。
頑張れよって手を振って笑っている。
今まであの横にあたしはいたというのに、今あたしは――。
ハル兄とナツと……同じ舞台に立たせて貰えているんだ。
彼らの目線で今、あたしは立っているんだ。
ああ――。
あたしは置いてきぼりにはされていなかった。
あたしをちゃんと迎えに来てくれた。
同じ世界に、あたしも入れてくれたんだ……。