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【SS】目が覚めたら…?
第9章 【2000拍手突破感謝】Ⅳ.憂鬱の向こう側
 

「"ずっぎゅ~ん"」


「「「"ずっぎゅ~ん"」」」



 声が嗄れ嗄れのあたしが、厚着忘れてさらに興奮しすぎて脱水症状をおこしかけ、ハル兄が慌ててあたしをステージ裏に連れ、用意されていたポカリを飲ませてくれた。


「どうだ、Seasonなんかとは比較にならないほど、楽しいだろう?」


 蕩けるような笑みであたしに尋ねるハル兄。


「うんっ!!」

「それでもまだSeasonのHaruがいいか?」


 あたしは頭を横に振って断言した。


「気の迷いだった。同じハルなら、ハル兄の方が断然格好いい」


 すると――。


「……っ、ぉ……まえなぁぁっ!!」


 なぜかハル兄の顔が真っ赤になった。

 驚き凝視するあたしに、むすっとしたような表情を造りながらもまだ真っ赤なハル兄は、ぐりんぐりんをしてきた。


「ひぃぃぃぃっ、なぜに!! なぜに!!」

「そういう……ことは、違う時に言えよっ、どうして不意打ちのように言うんだよ、このアホタレが――っ!!」

「ひぃぃぃぃっ、ひぃぃぃぃぃっ!!」


 やがてハル兄の拳があたしから去り、ぜぇぜぇと肩で息をついて座り込んだあたしの横に、ハル兄が身を屈め……耳もとに囁いた。



「お前、また濡らしてただろ、シズ」

「!!!?」



 ぞくりとするほど艶めいた眼差しで。

 そしてあたしのタートルネックを手で下ろし、いまだに残っているだろうキスマークを満足そうに見ると、さらに奥まで刻みつけるようにして、肉厚の舌で強く舐め上げてくる。


「ん、んんっ……」


 突然の愛撫に甘ったるい声を出してしまったあたしを、片手で支えるようにしながら、ハル兄の手はあたしの太腿を摩り、付け根に移動した。



「なぁ、シズ……。

予想以上に濡れ濡れなんだけど」


「ゃ……ああっ」


「どうしちゃったの、シズルちゃん。いつも以上にすげぇ喘いで。なに興奮してるんだよ、またオナるつもりか、なぁ……?」


 ハル兄の汗の匂いと艶気に目をチカチカさせながら、あたしはハル兄に抱きついて、身を捩らせていた。

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