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【SS】目が覚めたら…?
第10章 【2000拍手突破感謝】0.憂鬱の逆襲
 

 ナツとのキスに夢中になっていた時、トントンと肩を叩かれた。


「お前を可愛いと思った俺も、変態さんだ。だから!!」


 尖ったハル兄のお口が、あたしのキスをせがんでいるのがわかれば、ナツが微笑んで唇を離した。


「ほら、もうひとりの可愛い変態さんのところに」


 ナツの言葉に背を押され、ふらふらとハル兄の唇に吸い寄せられる。


「んんんっ……」


 繊細な舌から、獰猛な舌に変わる。

 兄弟でも、攻め方が違う。

 ねっとり具合が違う。


 ハル兄は、本当に本能を揺さぶり大胆だ。





「……。サクラ、羨ましそうに見てるのなら、せがんだら……?」

「俺は別に」

「気持ちいいよ、しーちゃんとのディープ。だってほら、あの波瑠兄見ていれば、わかるだろう? 波瑠兄の方が押され気味じゃないか」

「……いいな……。波瑠さん幸せそうで…」

「そりゃあ、好きな人とのキスは幸せだもの。サクラはしーちゃんが嫌い?」

「俺は……」




「ん、んんっ……ハル兄、駄目、そこくりくりしちゃ駄目ぇ……」

「駄目は許さん。お前に触れてぇんだよ、静流。触らせろよ。ここ、こうするといいんだろう、お前。なぁ、シズ……。もっと啼けよ」

「……ぁっ」


「あ、僕も参加しないと!! 波瑠兄が先に始めちゃった!! しーちゃんとられちゃう。サクラも参加!!」

「俺は……」

「駄目!!」



 あたしの身体に這いまわるのは、美貌のオトコ達の手と舌。


 ああ、フェロモンただ漏れのオトコ達に囲まれて、ここまで身体を愛され、解放感を味わって。


 こんなに幸せでいいのだろうか。

 ああ、できるならこの幸せに浸りたい。


 このまま皆に愛され、なにも考えずにいられたら。


 ネェ、ナニヲ?
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