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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
 

「それならここだよ」


 ナツはナツに……ああ、こんがらがりますね。

 あちらのナツが、ウチのナツに持っていたチラシを見せました。
 


『美・殿方ご用達。人気の茶汲み娘が運ぶ、和蘭「カウヒイ」と幻の団子が食べられるのはここ!』


「カウヒイ?」

「そう! 豆を黒く炒って粉にして、白糖を入れた和蘭から取り寄せた異国の飲み物さ。焦げ臭くて飲めたものじゃないと嫌がる人もいるけれど、これ最高! 飲んだら朝から元気、ED知らず。ね、ハルさん」

「なんで俺に振る? それにこの時代、珈琲がカウヒイなのに、なんでEDという単語が?」

「そりゃあ……ファンタジーだからさ」

 ほう、話がわかるイケメンだ。


「それに、俺の知り合いにも"おじさん"世代はいるけれど、彼は色々鍛えているからね。しっとりとした大人の色気があるし、落ち着いた声のトーンとか、男の俺でもぞくぞくする。彼はEDとは縁遠いけど、ハルさんはなんというか……とりあえずテクより勢い任せで欲をぶちまけているような? 暴走系の気がして……。年々勢い衰えてない? 勢いだけのテクなしって、勢いなくなればその反動で、心理的にもEDになりやすい……」


「おじさん……。勢いだけのテクなし……。しかも……禁断のED」


 ハル、ぴきんと青筋が立ちました。

 あわわ。


「俺はな、シズにはテクを総動員して愛ある抱き方してんだよ。シズさえいればED知らずなんだよ! 初めてあったガキに36歳事情をとやかく言われたくねぇんだよ。殺されたいのか、あ゛~!?」

「ひっ!?」


「波瑠兄、熱くならないの! あっちのナツが怯えてるじゃないか!! ほら作者さん、波瑠兄を止めて止めて」


 ひぃぃっ、私……暴れるキングコングを止める術は……。

 ――そうだ!


「バナナ渡してどうするの! どこから出したの、その腐ったバナナ!」


 ナツに怒られた時でした。




「ぎゅう~っ」



 不可解な擬音語じみた声が聞こえて、ハルがぴたりと動きを辞めました。


「ぎゅっぎゅっ、ぎゅ~っ」


 見ると……ハルに後ろから抱きついている強者が。


「コウセイ!」


 あちらのナツが叫びました。


 んま、この子もイケメン!!
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