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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
 


「いらっしゃいませ~」


 可愛い声で出迎えてくれたのは、まるで小動物のような愛らしさを見せる少女。ナツとコウセイは、ビラ配りをしないといけないということで、ここでお別れです。


「可愛い~。チワワみたい」


 シズが喜んで、茶を運ぶ少女の元に行きました。


「……ナツ。シズは、百合の気があるのか?」

「ん……。確かに店内のイケメン揃いに目もくれずに、女の子に走るしーちゃんの心理がよくわからないね」


 ハルが私に振り向きました。

「おい、へぼ作者。まさか俺達の話、シズの百合が判明し、女に走ってしまい、俺達はふられました……で終ったりしないよな?」

「しないよね!?」

 ……た、多分……。


「多分とはなんだ、多分とは!」

「そうだよ、僕達のテク……女に負けないよ!?」


 そう詰め寄られた時でした。


「お琴から去れ、女」


 若い……爽やかな若侍が、シズに鞘入りのままの刀を突きつけてました。


「お前、お琴を狙っているのでは……っ!」

「セイジ……違うわ。この子に敵意は……」

「だったら俺への嫌がらせか!? この女は俺の前でべたべた……っ、俺のお琴にべたべた……くっ、俺だって我慢しているのにっ」


 苦しげに横を向いてそれ以上の言葉を飲み込む若侍。


 ああ、爽やか風イケメン侍の寂しげに翳ったこの顔!!

 なんていうのか、こうきゅんきゅんと母性本能が……。


 そんな状態になったのは私だけではないようで。

 ふらふらと近寄るシズちゃんには、ナツが後ろからきゅっと抱きしめて。

 同様にふらふらと近寄ろうとしていた奏多は、ハルに突き飛ばされて。


 ……しくしく。


 兄弟と、セイジと呼ばれた若侍が対峙しています。


 なにやら物騒な気配……。


 そんな時でした。



 ばちんっ。



 突然、竦み上がるかのような音が。



 ばちんっ。

 
 ばちんっ。



 ひっ!?


 なんですか、この怪音!!




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