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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
山伏……みたいな格好をしていますが、これはワイルド系のイケメン。
その目つきは鷹のように鋭く、サバンナの帝王と堂々と張り合うようにして睥睨しあっています。
ギロリとギロリ、レーザー光線が見えそうな、そんなガン見の一騎打ち。
ひぃぃ。
恐いよ、恐いよ。
大災害が起きる前触れみたいだよ……。
気づいたらシズちゃんも奏多と同じように、大きな卓の下にて頭を両手で抱えて蹲って震えています。
そしてお琴ちゃんは……セイジを抱きしめて震えていました。
「私は大丈夫だから……。だから無茶しないで。セイジ……」
「お琴……」
「セイジが怪我でもしたら、私……」
「ごめん。お琴……」
愛し合っている……んでしょうね、あのふたり。
だけど堂々とできないなにかがあるようですが、セイジのあの切なそうな顔にきゅんきゅんしてしまいます。
「おやめなさいよ、ワタリ。チワワちゃん二匹とコブタちゃん一匹を怖がらせてどうするの。そしてハヤブサ。その扇子で呪いがかかってしまったらどう責任とるつもり?」
そうコロコロと笑い声を響かせ、ハルと山伏の闘いを抑えたのは――花魁……?
はだけた双肩はつるつるですべすべて綺麗なんですが、なにかずっしりとした骨格をお持ちの、色気たっぷりのお姉様。
しかし花魁が、なんで遊郭ではなく団子茶屋に?
「ふふふ、それは企業秘密」
というより、コブタちゃん一匹って誰のことで?
「ふふふ、そこは公然の秘密」
なんでしょう、唇に人差し指を置く……この花魁姉さんの艶姿。
煙管を口に含んで、しっとりとしたその流し目は、同性である奏多もくらくらしてしまいます。
「ふふふ、そこのお兄さん方。このホズミ姉さんと遊ばない? だけど先に言っておくけれど、安くはないわよ?」
にやりと、紅をつけた艶やかな唇が弧を描きました。
すると、ふらふらと兄弟が歩き出しました。
「ちょ、ハル兄!? ナツ!?」
まるで催眠術にかかったかのように。
あの不動の最凶兄弟も、花魁の妖艶さには勝てなかったのでしょうか。
ああ、シズちゃんの目の前で。
本人達だけが言い張る"純情路線"は、潰えてしまうのでしょうか。
そして――。