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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
 
 

 さらさらの髪。
 
 完璧な位置に配置された顔のパーツ。

 すらりとしたその長身には、決して安価ではないだろう着物を纏い。

 

 ピカ――っ!!

 ピカピカ――っ!!


 後光がさしています。

 神々しくて涙が出て来ます。

 美しすぎて息ができません。


 神様です。

 美の神様、ヤナセ神がご降臨されました。


 パン、パン、パンっ。


 隣を見ると、シズちゃんが涙を流しながら柏手を打ち、両手を床について平伏しています。横から見ると、額が床に埋まりそうなほど、強く強く。


「シズ――っ、お前、俺以外になんで平伏すんだよ――っ!!」


 慌てたのはウチの帝王様。


「どれだけの時間をかけてお前を調教してきたと思ってるんだ!! お前を支配していいのは、俺様だけだっ!!」


 調教……してたんですね。

 自らヤナセ神の奴隷と成り果てたシズちゃん、涙目の帝王に身体をゆさゆさされても、恍惚とした笑みにてまだ平伏そうとしてます。

 完全に心も体も虜。


 そんなシズちゃんにヤナセ神は微笑みかけました。


「くすくす……。可愛いですね、シズ……様?」

「――っ!!?」



 ぷっしゅ~と、シズちゃんの鼻から噴き出たのは鼻血。

 綺麗な放物線を描いて、だけど顔は幸せそうで。


「シズ!! 俺が手当を――」


 そんな時、ヤナセ神は動かれました。

 実に優雅な物腰で、無駄な動きなどなにひとつなく。

 そしてシズちゃんの横にて片膝をつくように腰を落とし、その白く長い指先で、くいとシズちゃんの顎を上げました。

 どうやら血を噴き出る鼻の穴を観察なさっているようで?
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