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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
「可愛らしい中に、外傷はありませんね。大丈夫でしょう。さあ、シズ様……血をお鎮め致しましょう」
すっと、ヤナセ神がシズちゃんのお鼻に手を触れると、シズちゃんのお鼻は従順になりました。
流石は神、癒やしの力ですか!?
「このアホタレ――っ!! なに他の男に懐柔されてんだよ。お前の鼻の穴には外傷なくとも、可愛い俺の心の中はぐっちゃぐっちゃに傷ついたぞ!! 俺をまたEDにする気か!!」
ハルはどうやら、不可思議な力の存在を信じていないようで。
可哀想に、シズちゃんのせいにされてしまっています。
「それはそれは。では私が心のケアのお手伝いを……」
「その医療道具……っ、まさかお前!!」
「ふふふ、ちゃんと資格はありますので。ご心配なく」
「そのスペックで俺様に張り合うとは……」
魔王、神に降参か!?
……というか、心のケアに医療道具は必要なんでしょうか?
そんな神に恐れ知らずにも、ゆさゆさとその服を掴んで後方に引っ張る者ひとり。
「もぅ~。笑顔でしーちゃんを虜にするのは、僕の専売なんだから。やめてよ、リアル王子様って呼ばれていた僕のポジション、とらないでよ~」
ナツです。
ぷっくりほっぺが膨らんでいます。
「あのヤナセに恐れ知らずな……」
「ふぅん? 見所ある坊や達ね~」
「成る程成る程」
「お琴までなんで鼻血を!!」
「ふにゃ~」
「それは失礼しました、奈都様。そして波瑠様。出過ぎた真似を」
出来るオトコ……基、神様はやっぱり違いますね。
言いがかりをさらりと受け流して、美しく微笑む。
余裕、です――。
だからこそ、その未知数の潜在能力が恐くなる……、
「いいか、シズ。俺を見ろ。真剣に見ろ。三つ数えたら、お前は俺を好きで好きで仕方がなくなる。"波瑠に抱かれたい"って思うようになる」
……と思ったのは私だけで、帝王は偉大なるヤナセ神そっちのけで、どさくさ紛れてシズちゃんに催眠術をかけようとしていました。
「違うよ、波瑠兄。"奈都のモノを下のお口に挿れたくなる"でしょう?」
負けじと自己主張する変態王子。
彼もまた、ヤナセ神に普通に背を向けています。