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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
「ひとつ聞くが、その小動物のような女もお前達の仲間なのか?」
ハルはお琴ちゃんを指さします。
するとさっと、セイジが身体で隠しました。
「お琴に指をさすな。お琴をお前の餌食には……」
凄まじい敵意です。
「くすくす…。セイジ、怒りを静めなさい。波瑠様はシズ様以外には興味がないようです。
ええ、お琴様は私の秘蔵っ子のようなもの。その熱心さとセンスによって、育成される側だけではなく、育成する側にも回っていた途中でした。
彼女によりこの藩公認隠密機関【艶事談義】は、新たなる飛躍を遂げると私は信じています……」
「ヤナセ……さん、そんな……」
「ふふふ、お琴様の頑張りは誰もが認めるところ。セイジが妬いてしまうほどにね」
「え?」
慌てて横を向いたセイジの顔は真っ赤でした。
いやだな、もう。
こっちまで照れてしまうじゃないですか。
「でもお琴ちゃんを含めて、皆はなんで茶屋で?」
シズちゃんの問いに、セイジが言いました。
「あの茶屋は俺達の寄り合い場。俺達は、打倒フジミのために様々な職に扮し、仕入れた情報を交換していたんだ」
「そして俺とナツは、街でフジミの餌食にされそうなイケメンを見つけて、保護を兼ねて四天王のもとに連れていき、見所があればこの【艶事談義】での鍛錬にお誘いする役」
コウセイの言葉を受け、あっちのナツは感嘆のため息。
「俺が知る限り、厳しい観察眼を持つ四天王直々に勧誘されるイケメンは、あんた達だけだよ。凄いなぁ……。六天王になるのも早いかなぁ? だけど先輩の意地にかけて俺も負けないし」
「ふふふ。茶汲み娘というのも、城に出入りする商人やら兵やらが茶屋に来るから、色々と情報が入るのよ」
お琴ちゃんがにっこり。
こんな可愛い子が、性技溢れた学問所で期待される精鋭。
こ~んな可愛い子が、あんなこともこんなことも……?
「とにかくも、あかずの城門が……今日、しかもこれからまもなく少しだけ、開くという情報が入りました」
ぱちんっ。
ハヤブサの扇子がまた閉じられた。
「うわ……なんて急展開。ご都合主義丸出しだね、波瑠兄」
「だからファンタジーってイラってくるんだよな」
ご、ごめんなさい。