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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
 

 ヤナセ神が言いました。


「ここは【らぶかるちゃあ】と呼ばれる、表向きは学問所。しかし実際は蘇る卑猥な神に対抗すべき刺客を育てる精鋭機関。私達が育て上げてきた刺客達は、ことごとくフジミの傀儡となってしまいました。あれほど、鍛え上げてきたというのに……」


 
 彼らは育成側の方々なのですね。


「フジミは……女であろうが男であろうが、その果てない欲に引きずり込んで精をとことん奪い尽くす悪の女帝。

特に邪眼……、あの流し目はオトコをイカせる凶器で、この機関の講師も何人も堕落させられました。そして彼らを手下に、この藩のイケメンを浚わせては、夜な夜な狂宴を繰り広げて愉しんでいると聞きます」


「弱点はないの?」


 ナツの問いにワタリが答えました。


「弱点は……、卑猥な神が逃げ出すほどの強烈な刺激をフジミに与えること」

「だったら、ここにいる全員でかかってフジミさんをイカせちゃえばいいんじゃないの?」


「それが出来ないのは……」


 悔しそうなワタリの言葉をハルが続けました。


「フジミがお前達を超えるテクを持っているからだろう? 例えば……この機関の創設者で、お前達を育成した……とか。さらに邪眼だか魔性の目を持っているときた」


「話わかるぅ、おじさ~ん、お姉さん特別にちゅ~してあげ」

「いらん、誰がおじさんだ!!」


 素早いホズミ姉さんの唇を、ハルも負けじと素早く掌打……と思いきや、ホズミ姉さんもまた、その動きから顔をそらしてよけました。


「ふふふ、このホズミ姉さんをかわすとは、貴方やるわねぇ~」

「お前もな」


 中々に手練れだったようですが、本能で生きる帝王も負けていなかったようです。


 ヤナセが神妙な顔で、言いました。


「知識も経験も豊富なフジミ。幾ら私達が手練れているとはいえ、そう簡単には堕とせない。あの邪眼の威力は凄まじいもので……。そんな時に貴方達が訪れた」


「ヤナセの色香に惑わされない、ね~?」


 惑わされている女ふたりは、恐らくは戦力外でしょうが。

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