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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
風を切って歩くは四天王と、卑猥な帝王と変態王子。
お琴ちゃんもきりりとしたお顔で、ナツとコウセイ、そしてセイジと共に勇ましい足取りで、城に向かっていきます。
無論シズちゃんは帝王と王子の間。
私奏多は……荷物運びの丁稚さんです。
「来たぞ!!」
ワタリの目が遠い遠い人影を捉えたようです。
そして現われたのは、美しい女性達。
皆、ピンク時で赤いハートマークが散っている……そんなお世辞でも趣味がいいとはいえない着物を着ています。
「イケメン~」
「組織を出たら恋愛自由~」
「ヤナセ~」
イケメン集団を見ると、突如涎を垂らしながら捕獲体勢に。
まるでイケメンに飢えた、肉食ゾンビのようです。
「いいか、シズ。婚期を逃したアラサーはこんな風になるんだぞ」
「だけどしーちゃんは大丈夫。すぐに僕がお嫁さんになってあげるからね」
……兄弟はまるで恐くないようです。
「ふふふ、肝が据わったおふたりだ」
笑うヤナセ神。
しかしその顔はどこが憂い顔。
ぞくぞくと肉食女ゾンビがやってきます。
「――あの者達は、【艶事談義】にて私達が育てた弟子達です。それなのに、フジミ軍団の制服を着せられて。あのピンクの着物、あれはイクまでフジミの支配下におかれるという……卑猥な着物です」
悔しげなヤナセの声。
「そんな姿をさらさせるために、育成していたわけじゃなかったのに。刺客として活躍できる舞台が訪れぬよう、平和な世にて彼女達が女としての幸せをたどれるようにと、そう願いを込めて育て上げていたのに……。惨いことを……」
苦悶するヤナセは凄まじい色気に見ていて。
ああ、私も肉食女になりそうです。