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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
 

 メェメェ、メェメェ(ここから帰らせて)。

 メェメェ、メェメェ(お戯れはもうおよしになって)


 ハル兄は、そんなあたしを後ろからぎゅっと抱きしめてきた。


「逃げるなよ……」


 またもやあたしは、座ったハル兄のお膝の上

 12帖の部屋の中、あたしはハル兄に後ろから抱っこ。


 さっきもされたけれど、今は状況が違う。


 ハル兄が泣きそうな声を出して、あたしの首元に顔を埋めてきた。


「シズ……行くなよ……」


 ぎゅうっとあたしを抱きしめる腕の力が強くなる。



「……なんでここに来たの。あたしと、その他諸々と同じような"お医者さんごっこ"したかったの?」


 返事がないから、その手の甲を抓った。

 すると、逆にその手を叩かれた。


「指圧」

「は?」

「ここでしてたのは、性ホルモンを刺激する指圧の実験。お前の体はホルモンが関係してるから……だからお前の治療と目覚めのきっかけになればと。

今ここに来たのは深い理由はねぇよ。正月にあいてる……あけてくれる場所はねぇから。ラブホだけはお前連れたくねぇし、どうせ満員だろうし」

「……嘘つき。ここで、いかがわしいお医者さんごっこしてたんでしょ!!」


 すると、またぺちんといい音響かせて手を叩かれた。

 
「指圧」

「嘘」

「指圧!!」

「嘘!!!」


 ハル兄は突然、着物の間から手を差し込んであたしのへそに指を押し込んだ。


「うっ――」

「ここがへそだ」

「言われずともわかるわ!!」


 独特の痛みを我慢して前傾姿勢になったあたしに、ハル兄はその下に指を添えた。


「そこから指4本分下、ここを起点に左右のここ二つ」


 ぐいっ。

 容赦なく指二本が腹に突き刺さる。


「アウチっ!!」

「ここが大赫(だいかく)」

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