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【SS】目が覚めたら…?
第15章 【アンケ感謝】藤見さま☆『艶事談義』
 


「さあやって来たぞ、フジミ!! さっさと俺様のチョコを受け取りやがれ」



 そう勢い良く、襖を開けた向こう側にいたのは――。



「――っ!!!」


 また襖。


「今度こそ……フジミ……って、また襖!!!」


 あと二枚くらいの襖の先にようやく人影が。


 まったりとした空気が漂います。

 和室なのは間違いないのですが、なぜか部屋の片隅には大きな水槽。

 そこには沢山のエビづくし。


 中には巨大ロブスターまでいます。

 どれだけエビ好きなんでしょう。


 そして。


 その水槽の前にいるのは、乱れた襦袢姿の婀娜っぽい美女。

 しかもその赤い襦袢には、「卑猥」の文字が散っています。


 そんな美女に膝枕をしながら、団扇でそよそよと風を送り続けているのは……、



「「サクラ!?」」 

「「モモちゃん!?」」


 なんと。

 モモちゃんまでを配下においた、このひとは……。


「観念なさい、卑猥の神よ!!」


 ヤナセが勇敢に言い放ちました。



「フジミ様、その卑猥な襦袢をお脱ぎください。貴方はそんな女性ではなかったはずだ!! らぶかるちゃあ創設者にして、私達四天王を小さな頃から慈しみ育て上げてくれた、我らが愛すべき存在!!

卑猥な神などに憑かれる方ではなかったはず!!」



「なぁナツ。この四天王を小さい頃から育て上げた……ということは、フジミは何歳だ? 若そうに見えるが、ただの若作りの肉食女か?」

「駄目だよ、波瑠兄。そういうことはお口チャック」



「フジミ様、今一度あのお優しいお姿に!!」


「妾はフジミであり、卑猥の神。一心同体じゃ。のぅ、ヤナセ。妾がお前がよく知るフジミであることを、この身体で教えた性技の数々、再びその身体で受けて確認するか? 忘れたわけではあるまい? お前の身体に走り抜けたあの快感を。お前、感じて声を上げたよな」

「な…っ!!」



「ほぅ、ヤナセくんは、声を上げたんだ?」

「くふふ、あげちゃったんだ?」

「よっ、さすがはイケない四天王!!」

「ねぇねぇ、その後おトイレに走ったの? それともその場で? 我慢したの? 勃ったまんまで帰ったの?」


 ヤナセの加勢にしにきたのか、邪魔しにきたのかわからぬ兄弟。

 ヤナセの美しい顔が、初めて屈辱にきゅっと歪みました。
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