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【SS】目が覚めたら…?
第16章 【アンケ感謝】結芽里さま☆『決闘』
佐伯家にて待機していた奏多、ピンポンとチャイムが鳴ったのでドアを開けて見ますと、全身黒づくめの背の高い美女が。
「えぇと……結芽里さま?」
「奏多さま……?」
ようやく会えました、結芽里さま。
チビの奏多より身長が高く、スレンダーな美しい方で。
「レオの言いつけで、今日は黒子という下僕になったんです~」
「似たようなもの、奏多は毎日が下僕です~」
下僕ふたりは抱き合い、おいおい泣きました。
そんな時に響いたラッパの音。
ファンファーレのような勇ましい音。
びくりとした結芽里さまは、赤いなにやら丸まったものを馬車から取りだし、せっせせっせと佐伯家の玄関までお敷きになりました。
赤絨毯……のようです。
そして馬車から現われたのは、美しい姫の手をとった美貌の王子。
「"さらさらと流れるような髪は月の光を紡いだような淡い金色。キリッとした精悍な眉の下には伏せられた瞼。通った鼻梁は羨ましいほど高く、結ばれた唇は薄く形がいい"……結芽里さま、最初に描かれた表現時よりも、レオ様は男らしくなり王太子の貫禄が凄いです!!」
「奏多さん、今私のコピペしましたね?」
えへ。
「なるほどユメリはそういう目で俺を見ていたのだな」
レオ様が超然としたお顔で結芽里さまに言えば、少し彼女は狼狽えています。
「それなのに裏ではさんざん言ってくれていたよな?」
「もぅ、レオ。やめて。ユメリさんがいてくれたから、私達結婚できたのだし……」
「それもそうだ。ユメリがいなければ、初々しいお前をあんなことやこんなことも出来なかったからな。ふふふ、なんだそのとろんとした顔は。馬車の中でさんざんしてきたのに、まだ足りないか」
「いやああ、レオ!! 人前で、恥ずかしいこと言わないで!!」
「あの……結芽里さま。あの馬車に、結芽里さまも乗ってらしたんですよね? ええと……何ヶ月もかかってここに来たんですよね?」
「あ……まぁ一応。だけど、気にするようなレオではないので。それに私は、黒子ですので。感情も存在もない黒子に徹することを義務づけられてますので。M調教ダイエットだと思って。見て下さい、数ヶ月前に誂えた黒子の衣装が、今じゃこんなにぶかぶか」
それはその……。
「ご愁傷様です……」
「恐れ入ります」