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【SS】目が覚めたら…?
第16章 【アンケ感謝】結芽里さま☆『決闘』
「して、俺に果たし状を送った、ハルとやらはこの奥か」
急にレオ様は真剣な顔で凜とした声を上げました。
「はい、この奥で……」
「なぜ俺を出迎えぬ!!」
「レオ、大きな声を出すとご迷惑よ?」
そんな時、ハルが欠伸をしながら咥えタバコで出て来ました。
しかも徹夜続きだったらしく、白衣のまま帰宅してそれほど時間はたっていません。
「なんだ? なんでうるせぇんだ?」
そして、赤絨毯と馬車、なにより煌びやかな衣装を纏った美男美女を見ると、眩しそうに目を細めて言いました。
「誰だ、お前ら」
な、なんということを!!
「我らを呼びつけておいて、なんだそのいいざまは!!」
「あ゛? おいへぼ作者。どういうことだ?」
レオ様ですよ、レオ様!!
貴方が朱色で訂正の筆字を書いたでしょう!!
「ああ……あまりに遅すぎて、忘れてたわ」
「忘れてた!?」
レオ様ご立腹。
「そのへぼ作者がとろとろしてるからだ。怒鳴るならそいつに怒鳴れ。俺様は寝不足なんだ。じゃあな」
まさかの、門前払い!?
馬車がここまで来ているのに!?
本人様達がわざわざ来ているのに!?
レオ様が長い足を大股で歩いてこられました。
憤慨していても実に優雅。
やはり王族の気品ある方の物腰は素敵です。
「おい、ちょっと待て。それが客人に対する態度か!!」
「あ゛? ひとの家に土足で入って、何様だ?」
対するのは野生の世界を生き抜いてきた自由人。
少しだけ、レオ様の方が身長が高いようですが、ふたりともかなりの高身長です。
「ハルとやら。口を慎め!! 俺はラインハルト王国の王太子だぞ?」
威圧的な物言いも、その肩書きを思えば納得です。
「俺は日本国のただの俺様だ。自己紹介が終わったなら、帰れ帰れ」
しかしハルは、どうでもいいようにあしらい、片手で"しっし"。