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【SS】目が覚めたら…?
第16章 【アンケ感謝】結芽里さま☆『決闘』
「自己紹介ではない!! なんだその傍若無人ぶり!!」
「寝不足な奴とっつかまえて、なに構ってちゃんになってるんだ!? なんとか国のなんとか王太子よ」
「なんとか国のなんとか王太子!? 耳の穴かっぽじってよく聞け!! 俺はラインハルト王国の王太子、レオナルド・アッシュブランだ」
「長ぇんだよ、ひとに覚えて貰おうというのなら10文字以内!! アッシュだかブラウンだか、色くらい統一しろよ」
「うぬぬ~。10文字以内……」
レオ様は指を折って数えていました。
「レオ・アッシュブランだ!! どうだ9文字!! これなら覚えられるだろう!!」
勝ち誇ったその声に、ハルの動きがぴたりと止まり……。
「あ゛~!? レオだと~!? お前、あのレオか!?」
「どのレオを言っているのかは知らんが、そのレオだ!!」
するとハルは突然メンチを切る、或いはガンつけを始めました。
しかし帝王の眼光を受けても平然としている王太子。
彼も修羅場をくぐってきた者特有の威圧感で、ハルに対抗しています。
「あわわ」
「どうしましょう……」
怯えているのが私と結芽里さまとアリ様。
不良同士、或いはヤクザ同士の睨み合いを超えて、もう生きるか死ぬかの問題にまでなっております。
両者一歩も譲らず。
「お前、中々出来るな」
「ふっ、お前こそ」
「ではここはどうだ? 先に言っておくが、俺のに驚くなよ」
「お前こそ」
そしてふたりが同時にさっと出した手で、掴んだお互いのものは……。