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第16章 【アンケ感謝】結芽里さま☆『決闘』

　
「しかもじゃーん!!　印刷される紙がシールならば!!　こうやってペリと捲ればこうやってどこへでも貼り付けられまーす!!」


　シズちゃんは印刷されたばかりの、16分割にされた写真シールを、レオ様のおでこにぺたりと貼りました。


　もう夫妻は言葉も出ないようです。


「……この国は、豊かなのだな……」


　レオ様がやがて呟かれました。


「こうしたキカイだけではなく、お前達の表情が生き生きとしてる。そしてアリエッタも実に嬉しそうだ」


　目を細められて。


「我が国も、こうした幸せな笑顔に満ちた国にしたい。争いなどなく、こうして王も民も関係なく、楽しく過ごせる国が……」

「レオ……」



「あの……もうそろそろ、お時間です」


　結芽里さまが申し訳なさそうに言いました。


　すくりと立ち上がるレオ様。

　そして泣き出しそうな顔で私達を見るアリ様。



「それでは……お暇させて貰おう」



　その時、すっと動いたのはハル。


　最初と同じように、真っ正面からレオ様を見ては居るものの、その顔は……両者やけに寂しそうで。


「この勝負――」


　口にしたハルが手を出すと、


「引き分けだな」


　それをレオ様がかっしりと掴みました。