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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
「鏡、見て見ろよシズ。お前……どんな格好されているのか。どんな顔で、俺に欲情しているのか……」
あたしから見下ろす視界と、鏡の中の客観的な視界とは、見える光景がまるで違う。
剥き出しになったあたしの肩と乳房。
帯によって全ては開き切れていない着物の、途半端な乱れ具合が、情事の最中だということを嫌でも認識させ、これからを思ってあたしの肌は見る見る間に紅潮していく。
ハル兄が崩れかけたあたしの髪を解いた。
ぱさりと落ちる黒髪の揺れが、さらに卑猥さを強めさせた。
その黒髪を手で掬いそれを口づけているハル兄は、、鏡の向こう側から超然とした微笑みをあたしに向けていた。
ハル兄はわかっている。
どうすれば、あたしの体がより"女"になるのかを。
鏡の中のハル兄の手が、あたしの乳房を弄ぶ。
下から盛り上げるように、そして大きく形を変えるように、ゆっくりと揉みしだくその指は、いつも以上にゆっくりで、くねくねといやらしい指の動き方を見せつけてきた。
拡げられた指と指の間に零れる乳房が、自分のものではないように艶めかしい。その胸の頂きにて主張する蕾が早く触れられたいとふるふる震えているようにも見えた。
鏡の中のハル兄があたしを見ながら、指先で乳輪をなぞる。
鏡の中のあたしが、せがむように体を揺らしている。
ハル兄はにやりと笑って、それぞれ二本の指で卑猥に捏ね、その強い刺激に驚いた体がびくぅんと揺れた。
「あぁぁぁあ……っ」
視覚的にも感触的にも、凄まじい快感。
腹を支えたハル兄の片手が間髪入れずに太腿を弄った。
黒い裾から艶めかしい白さを持つ太腿が見える。
それだけで倒錯的なのに、そこに卑猥に動く褐色の手にくらくらする。
鮮烈な卑猥な色のコントラスト。
「ああ、ああ……ハル兄……」
「やっぱ鏡では無理。俺がお前の顔みたい」
突如ハル兄が鏡を背にしてあたしの正面に立ち、あたしの前で膝をついた。まるであたしに傅(かしづ)くような格好で、ハル兄は何も言わずに黒い瞳であたしをじっと見上げ続けていた。
そしてあたしの足を裾ごと左右に開かせると、下から秘部に吸い付いたのだった。