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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
「あぁぁ、あああああっ、それ、それ……気持ちいい……っ」
絞り出たような甘ったるい声に、ハル兄の目は嬉しそうに細められた。
ふらふらする足をハル兄がしっかりと手で支え、肉厚の舌はぬかるみきったあたしの秘部をかき混ぜる。時折強く吸い付かれ、花弁に噛みつかれ。
じゅるじゅると豪快な音をたてて吸い上げられれば、自分がどれだけ溢れさせて興奮しているのかがわかり、恥ずかしくてたまらない。
あたしは、ただ喘ぐしか出来ないまな板の鯉だ。
ああ、ハル兄――。
びちゃびちゃと激しい音をたてながら、眉間に皺を寄せたあの顔で、顔を斜めに傾かせて一心不乱にあたしの秘部を舐める奉仕の様は、人を服従させる帝王様の姿ではない。
屈辱的な姿勢なのに、どうして時折あたしを見つめるその目は、そんなに優しく嬉しそうなの?
どうして汚いところを、そんなにうっとりとして舐められるの?
そしてあたしは。
鏡の中のあたしは。
傲慢にも帝王に奉仕させておきながら、それに対する躊躇はなく、献身する帝王の髪を愛おしそうに両手で撫で回しながら、気持ちよさそうな顔をしていた。
息を乱して、腰を揺らしながら……もっともっととせがんでいる。
気持ちよくて仕方が無いという顔をさらしている。
ああ――。
あたしはこんな顔をいつもハル兄に見せているのだろうか。
ここまで気持ちよい顔をしているのか。
ここまで無防備にハル兄にすべてを委ねているのか。
ここまであたしは――。
「ハル兄……気持ちいい……」
あたしはハル兄の頭を抱きしめる。
「気持ちいいの……ハル兄、ハル兄……」
自分の姿に煽られ、快感を覚えた馬鹿な女。
そんな女に奉仕続ける男に、愛おしさが募って仕方が無い。
だが、ハル兄からの応答はなく。
気づけばあたしだけが乱れ、あたしだけが喘ぎ言葉を発している。
帝王は奉仕するだけ。
そんな関係は嫌だ。
一緒に。
あたしはハル兄と一緒に気持ちよくなりたいのに。
ハル兄のあの掠れた喘ぎ声を聞きたいのに。
「ハル兄、なにか言って……ねぇ……」
寂しくなる。
あたしひとりで気持ちよくなっていることに。
これだったら……アキちゃんでの自慰と変わらないから。