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【SS】目が覚めたら…?
第18章 ハルへのエイプリルフール
 

――ハル兄は、しーちゃんから、特にLoveの意味で好きって言われたら凄く喜ぶよ。嫌いって言われたら逆にかなり落込むと思うけれど?


 嫌いといって落込んでまたEDになったら困るから、好きの方を決行してみたあたし。好き……まあハル兄は好きだけど、Loveに限定したら、なぜか嘘臭く声が震えてしまったのはなぜなんだろう?



 ハル兄が口からタバコをぽとりと落とした。

 帝王様の切れ長の目が驚きに真ん丸だ。


 そして突如上気してくる肌。

 きらきらしてくる瞳。



「……シ、ズ……?」



 あれ……?



「もう一回、もう一回……言って」



 思った以上、喜びすぎてない?

 目……、かなりうるうるしていない?


 え、貴方サバンナの帝王ですよね?

 傲岸不遜な佐伯波瑠様ですよね?


「ああ、いい……。言わなくていい。いいからシズ……。ちょっと……やばい。俺、すげぇ……っ」


 真っ赤な顔で、緩みまくったその顔で。

 あたしをがっしりと抱きしめたハル兄は。


「は、はぁ……っ、シズ……。嬉しすぎて……心臓、苦しい……」



 死ぬかと思われるほどの乱れて弱々しい呼吸を響かせながら、あたしの頭上にキスを降り注いだ。


「え、ええと……あのね、ハル……」

「言わなくてもいいって言ったろ!? ちょっと待て、今は待て」



 ……やばい、これはやばい。

 完全に"エイプリルフール"を言うタイミングを逃した。


 どうしよう。

 ハル兄が喜び過ぎている。


 この状態で、訂正できない。

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