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【SS】目が覚めたら…?
第18章 ハルへのエイプリルフール
「シズ……っ、すげぇ嬉しい。シズ……」
気づけば、今流行の"壁ドン"で。
歓喜の熱に揺れる潤んだ瞳が優しくあたしを見つめていて、あたしの顔の両側に伸ばされたハル兄の腕のおかげであたしは身動きすら出来ず。
情熱的なハル兄の空気に流されそうになりながらも、焦りまくって心臓がバクバクのあたしは、艶めいたその野性的な顔を見つめ返すくらいしか出来ず。
「シズ……、俺も……好きだ」
ああ、囚われる――。
一直線に向かってくる漆黒の瞳。
その熱視線と共に近づいてくる、唇。
何度も何度も重ね合ったその唇が、
「愛してる――」
吐息混じりの愛の言葉を漏らして、あたしの唇に。
ああ、ハル兄の唇が欲しい。
ハル兄の甘い吐息に溶けたい。
煽られるのは情欲? それとも――?
そして――。
「静流――……」
あたし達の距離はゼロになる――。