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【SS】目が覚めたら…?
第24章 【ファン感謝】白雪姫
ああ、今日も。
男の侍従達を招き入れたお母様の部屋から声がする。
最近は、男達を鏡に見立てて答えさせることがお好きらしい。
「鏡よ鏡。
世界で一番美しいのはだあれ?」
「それはお后様です」
……お母様、今日彼らはあたしに言ったの。
"王女様の母君は、男を食らって生きる淫魔です。老いとともに魅了の魔法は薄まり、母君は放って置けば害なく朽ちるでしょうが、若く美しい貴女は違う。
今夜、貴女も男の精を吸い尽くす淫魔かどうか、じっくりと検分してさしあげましょう。私達はもう、貴女の母君には飽きたのです"
ねぇ、淫魔ってなに?
お母様は、魔物なの?
だったら、娘のあたしは……あたしは人間よ!?
"それを調べて差し上げるのです、王女様"
恐い。男達の目が恐い。
このままだとあたしは――。
「鏡よ鏡。
世界で一番美しいのはだあれ?」
「それはお后様ではなく――」
あたしは――。
「白雪だと!? 許さぬっ!!」
殺される。
よからぬ予感に、裸足で走ってきたあたし。
今夜お母様の部屋に招かれたのが、門番でよかった。
逃げなくちゃ――。
軋む大門を押し開けて、何年かぶりの外界を視界に入れて、大きく深呼吸をした。