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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
①山の中へ【猟師ハルVer.】
昔は山の中をよく遊んでいたけれど、しばらくぶりの山の中は、記憶と随分と様子が違っていた。
鬱蒼とした木々。静まり返った中で突如響く鳥の羽ばたき。
「ひっ!?」
恐い……。
傷だらけの足で、パキパキと落ちている小枝を踏みしめながら、ままならない呼吸でそっと進んでみる。
思わず山に逃げ込んでしまったけれど、選択を間違ったのではなかろうか。山を下りて、街や村に逃げ込んだ方がよかったのでは?
生臭い風が、かさかさと木々の葉を揺らす。
ねぇ、地面に落ちている骨は……何の骨?
狼の遠吠えが聞こえてくる。
あの声は、あたしを食べようと宣言しているのではないの?
込み上げる不安と恐怖にあたしは戦いた。
これからは日が落ちる。
魔物が跋扈する闇の時刻がやってくる。
ここには誰もいない。
あたしを守る役目の城の兵士を置いて、逃げてきたのはこのあたし。
ここには、誰もあたしを助けてくれる者はいない。
あたしはひとりぽっちだ。
ぶるりと、肌寒い風に身震いした。
……恐い。ねぇ、外界に人はいるよね?
城外の事情がわからぬあたしは、暗くなりゆく景色にただ怯えた。
バサバサバサ……。
荒々しい羽ばたき音をたてて、突如何かが飛んでくる。
手を振っておいやれども、それは執拗にあたしを襲う。
「痛い、なに!?」
鋭いもので突っつかれて摘ままれて、腕から血が流れる。
逃げても追いかけてくる。
なに、一体なに!?
あたし食べられるの!?