この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
 

 ここまで反応がないと思わなかったあたしは、正直、失敗したと思った。

 しかも、人の心を見透かすような黒い瞳で、じっと真っ正面から見据えられ、居心地悪い。これならハルの背中を、あたしが抱きつけばよかった。

 とりあえず……なかったことにしようと思い、"眠くてついぐずってしまいました"アピールをしようと、したくもない(生)欠伸をして、目を閉じた――が。


「ひっ!?」


 ハルの人差し指と中指が、落ちたあたしの両瞼を持ち上げた。

 まるで目つぶしのようで、恐くて瞼が下がらなくなる。


「汝、眠いという事由以外に、俺様に抱きついてきた理由を述べよ」

「いや、あの…つい、出…」

「出来心など言ったら、ぶっ殺す」


 ……あたしは、選択肢を失った。
 

 どうする?

 あたしは、ここで死んでしまうの?


「だが……」


 ハルはあたしの瞼から指を離し、少しだけ目をそらして、子供のように唇を尖らせ。



「出来心ではないのなら、許す」


 向き直ったハルの目は、冷たくなるわけではなく、逆に熱っぽく…少し蕩けたようにして、その奥にはちろちろとなにかが揺れていた。

 むあっとハルの…慣れてしまった男の匂いが漂い、無意識にあたしの呼吸が浅くなる。


 ハルの逞しい半裸がやけに目に入る――。

 あの体で、後ろからあたしは抱きしめられていたのか。

 そう思えば、あたしの方がハルを男として、今まで意識していなかったということを思い知る羽目になる。


 出来心ではない…つまり、真剣に抱きついたのなら許される?


「それはえっと……」


 真剣であると言うことはつまり?
 


「俺様に、女扱いをされたいか?」



 その言葉はストレートだが的を得て、あたしの身は縮み上がった。



「俺に、そうやって触れられたいか」


 その目は痛いほどまっすぐで、逆にあたしにそう懇願しているように思え、その切実な目に、あたしの胸がきゅうと締めつけられた。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ