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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
ハルの胸の中に包まれながら、ぎゅっとハルの服を掴もうとした手が外れ、直接ハルの肌を触ってしまうと、汗ばんだ逞しい胸から、ドクドクと尋常ではない早さを知らせる心臓の音がした。
なんだかそれが愛おしくて。
涙が零れ……そしてあたしは……。
「は!? ここで寝るか、お前……っ」
どこかで泣き出しそうな声が聞こえた。
それ以来――。
抱き枕時に、キスをすることが普通になった。
それまでどんなに口喧嘩をしていても、どんなに横暴な理由で虐げられても、キスの直前は互いに全てを流して、互いの唇だけを求め合う。
キスをする時の、ハルの表情が変わるのが好きだ。
あたしを女として欲情するハルが、ぞくりとするほど艶気を纏うあの顔が。
あたしの弱いところを既に知るハルの舌。
ああ、なんて気持ちがいいんだろう。
夢中になってハルの舌に応えていると、ハルは時折下半身をあたしにぶつけてくるようになった。
それはなにか堅いもので。
よくわからず、あたしもまた下半身をそれに擦りつけてしまえば、ハルのキスが荒々しくなり、キスの間中にあたしを見る目にさらに熱を滾らせる。
呼吸が忙しくなり、がぶりがぶりと唇だけではなく、あたしの首に噛みつきながら、その堅い部分をあたしの下半身に押し込めたいかのように、今度は大きく回すようにしてきて。
擦れ合う角度によって、あたしは悩ましい声を上げてしまった。
「なぁ、シズ……次、進んでいいか?」
掠れたその声は熱情の証。
「次?」
「ああ、お前の女の部分を感じたい」
戯れだけには終わらない……。
そんな本能的な予感に、体が打ち震える。
同意できなかった。
この先進むことに躊躇がある。
するとハルは、一瞬哀しそうに目を伏せて唇を震わせ、そしてあたしの頭をぽんぽんと軽く叩いて、笑って言った。
「お前の心が追いついたら、にする」
「心?」
「ああ、お前の心が、俺に抱かれたいと思うようになるまで。それまで手は出さない」
そう安心させながら、ハルは爆ぜるようにしてキスを繰り返した。
何度も何度も切なく、下半身をあたしに擦りつけながら。