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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
最初に比べて、変化したのは夜だけではない。
夜の口づけが激しくなるに従い、次日の日中も……ハルはあたしにくっついて、頬をすり寄せたり耳を甘噛みしたりして、キスをせがみ始めた。
猟師が狩りに行きたがらないとは、これいかに?
しかもとろりと甘い顔を向けて誘いながらも、その目はあたしを狩るかのような捕食者特有の鋭さを潜ませて。
猟師であるのなら、毎日きちんと仕事をするのが筋だとのあたしの説教も、こうしたハルの…あの肉感的な唇と舌に触れられれば、もうそれだけでぞくぞくとして刃向かう気力がなくなってしまうんだ。
「なぁ、シズ……」
この甘えたような声が合図――。
「食事はいいから、こっち来いよ……」
後ろから抱きつかれ、ねっとりとした舌で首筋から鎖骨の窪みを攻められ、あたしは持っている材料をすべて床に落としてしまった。
「俺はお前を食いてぇんだよ。なぁ、味見させろよ……」
毎日、ひっきりなしに味見しているくせに、帝王様は熱にうかされたようにそういいながら、結局、昼間から抱き枕にされてしまうあたし。
煙草を吸う時のように、眉間に少し皺を寄せた少し不機嫌な顔に、凄まじい艶を織り交ぜて、その力強い手であたしの顔を後ろにねじ曲げて、深い口づけを仕掛けてくる。
最近の舌の絡め合いは、まるで動物がもがき苦しむかのように暴れて激しく、はしたなさを通り越してもはや潔い。
飢えた獣のように、あたしの口から唾液を吸い取るが如く強く吸い上げるかと思えば、頭全体でくねらせた舌の抜き差しを始めて、呼吸も猛々しいものにさせるから、あたしまで興奮してしまう。
首を触るその手はあたしの胸に降りることがあっても、あたしがびくりとした途端、その手の動きは止り、代わって何度も何度もあたしの髪に指を絡めさせたり、尻を優しく揉んできたり。肌が吸いつくくらいにぎゅっと抱きしめられる。
所構わずまるで発情した動物のよう。
そう思いながらも、この捕食者の攻めにはあたしは抗えない。
昼間の口づけは、立てなくなるから嫌だ。
腰が抜けたようになって、その後なにも出来なくなる。
崩れても、共に座りながらやめてくれない。