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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
 

 狼狽する俺様をよそに、堂々と異性たる俺に警戒心をもたず、抱きついてきて懐いてくるアホタレ。

 そんなガキに、思いきり発情して股間を膨張させてしまった…チビ姫以上のアホタレ加減を披露した俺は、どこぞの童貞のように真っ赤になって、冷やかす周囲を睨み付けるのが精一杯だった。


 そんな俺にすりすりと頬をすりつけて、無防備に笑うシズ。 


 なにこれ、すっげぇ可愛いんだけど。

 ナツとまた違う可愛さに、顔の緩みが止らねぇ。


 モチのような頬を摘まんだりして虐めてみればみる程に、涙の膜で覆ったその大きい目に、俺だけを映して助けを乞うてくるのが、ツボにはまってしまう俺。


 シズの一挙一動に目を奪われ、心を奪われて。柔らかな肌に触れて、甘ったるい匂いを嗅いだら、もうパラダイスの気分。昇天しそうだった。


 この俺様がここまで愛でてやっているんだ。どんなアホタレでも女という属性である以上、他の女と同じく、このきらきらとした笑顔の向こう側で、きっと俺を理想の王子様としてぽっとなっているんだろう。
 
 王子様なんてガラではないと思っていたけれど、シズ限定でそれも悪くないかも……。


 だが、シズは他の女とは違った。俺を王子様扱いするどころか、


――シズおネム~。バイバイ、おっちゃん。

――誰が"おっちゃん"じゃ、コラア!!


 怒り爆発。俺は結局城に泊まり……シズを抱き枕にして眠った。セックスなしでもすっげぇ充ち満ちた朝を迎えたんだ。

 
 シズは"白雪姫"と異名をとり、美しく成長していった。

 皆が白雪と呼ぶから、俺はずっとシズと言い続けた。

 他の奴と同じは嫌だ。


 母親の美貌は色褪せて思えたせいか、シズの清楚な美貌が目立っていく。それなのに時折無自覚で母親譲りの悩ましい艶を見せるから、たまったものじゃない。


 誰にも取られたくない……。
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