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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
ハルSide
ようやく見つけたシズは、俺に対して明らかなる恐怖を体現して逃げた。
俺は、あいつを殺そうとする奴らと同類とされたんだ。
それは、過去女王の刺客として、俺が追いつめた者達が見せる反応によく似ていたが、シズは俺だと認識している上で、俺個人に対する失意と絶望感も顔に滲み出していた。
まさか、俺の銃が……、お前の背後で銃を構えた奴らではなく、お前に向けたものだとでも思ったのか?
なんだそれ。
そんなこと、ありえねぇとは思わないのか?
情が通い合ってきたかもしれないと思った微かな希望は木っ端微塵に打ち砕かれ、なによりシズを殺そうとする"敵"と思われたショックに、俺は吐きそうになった。
いつからだ?
まさか、だから小屋を出たというのか?
俺の傍にいたら殺されると?
逃げるシズを見失い、俺は苛立って大木に拳を打ち付けた。
勢いを増す雨。
顔を突き刺すそれが鬱陶しくて、唾棄するように天を仰いで吼えた。
あんなに可愛く俺の腕の中で喘いでいたのに、いつから俺をそんな目で見ていた?
ああ、俺が。暴走を自制しようと距離をおかなければ、シズの変化に気づけたのだろうか。
シズを最後まで抱きたくなるからと、できるだけ避けていた接触を、もしもずっとしていたのなら……シズに俺だけは味方なのだと、伝えられただろうか。安心させられていただろうか。
ああ、もう。後悔してもすべてが遅くて――。