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【SS】目が覚めたら…?
第2章 Ⅰ.ハル兄と……
~Bonus of love~
……不思議に淫魔は目覚める様子なく、途中からあたしは本当のただの女の子に戻った気がするほどで。
淫魔に正月休みがあったことを初めて知った。
それをなぜか最初から知っていた帝王は、まるで帰ろうともせず、途中から膨大なオスのフェロモンをぶわっぶわっと撒き散らしながら、あの甘えっ子モードになり「なぁシズ……」ばかり繰り返し、髪をまさぐり、ねっとりとしたキスであたしを細胞ごとねぶる。
普段はぶっきらぼうで粗雑で、罵詈雑言&卑猥ばかり放つ口なのに、こうしたモードに入るとハル兄の言葉は、あたしを甘やかすものとなりゆく。
「シズ……お前、すっげぇ可愛い……ん……なんか幸せ」
本当に幸せそうに蕩けたような優しい顔で言い始めるから、だからきゅんとしたあたしもまた、ハル兄に無性に甘えたくなるんだ。
その肌に、顔をすり寄せたくなる。
その唇を重ね合わせたくなる。
その瞳に……閉じ込められたくなる。
絡みつく熱視線。
絡め合う舌、手の指、足――。
求め求められているのがわかる、淫らな動きに変わりゆく。
「お前、ここ感じるんだろ? なんだよ……もうそんなとろんとした顔して、俺にどうされてぇの? 言ってみ? なんでもしてやるから」
「ああ……お前の、俺に絡みついてくる……。は、はぁぁ……なんだよ、これ……。俺を快楽死させる気かよ……。あ、すげぇ……シズ、ああ……」
「シズ……俺の子産めよ……。孕むまでお前のここに、俺何度も放つからな。なぁ……子育て頑張るからさ、お前も頑張って孕んでくれよ……」
「シズ……ああ、離れたくねぇ……」
まるでこれから離れるかのように、こうして睦み合った証拠が欲しいとばかりに、ハル兄は執拗にあたしとの子供を欲しがった。