この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
 


 冷えた空気と湿気が立ちこめる洞穴――。

 以前誰かが休憩場にでもしていたのか、埃まみれの毛布数点の他、焚き火の名残や、未使用のまま積まれた薪、なにかの動物の骨が散乱している。

 ハルはとりあえずあたしを肩から下ろすと、毛布を入り口近くで豪快に手で叩いて埃を払い、それを地面に敷いてあたしを座らせた。


「風邪ひく。濡れた服を脱いで、この毛布にくるまってろ。これならさほど汚れてねぇから」


 服……と言っても、ハルに引き剥がされて殆ど残骸だが、それでもすべて取り払って毛布にくるまれば、いかに自分の身体が寒かったのかがわかる。


 今さらながらカタカタ震えがきたあたしの前で、ハルは慣れた手つきで、散乱物を使って火をおこし、あっという間にパチパチと温かい暖を作り出していた。


「暖かい……」


 人間は、どうして暖をとりたくなると、両手を伸ばしてしまうのだろう。

 手よりも胴体の方が冷えていると思うのに。


「ハルも……」


 後ろを振り返れば、ハルはこちらに背を向けて服を脱いでいた。

 逞しい背中を見て、あたしは慌てて見ないふりをして、焚き火に集中した。


 ハルの裸を見るのは初めてでもないし、触れたことも何度もある。

 そして今だって、直前までいやらしいことをしていたというのに、どうしてこんなにドキドキするのだろう。


 雨の音。焚き火の音。

 ……ハルが脱衣する音。ハルが息をしている音。


 音はあるのに、まるで無音の世界で息を潜ませているような緊張感。

 胸をドクドクと打ちつける心臓が、口から飛び出て来そうだ。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ