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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
気を紛らわせなくちゃ……。
石をカチカチするだけで、簡単についた……命を守る灯火。
きっとあたしでは火をつけれないだろう。
元は王族いえどさすがは猟師育ち。逡巡なく野外で生きぬく野生術を披露できるあたり、感心して称賛すべきか、それとも身につけねばならなかったという冷遇された環境を痛ましく思うべきか悩んでしまう。
だが、頼もしい。
いつも不遜で上から目線ではあるが、彼はどんな環境でも生き抜けるような強さを感じられる。
パチパチと爆ぜる焚き火の火花を見ながら、思わずくすりと笑っていると、後ろから伸びた両手があたしがくままっていた毛布を取る。
「……すげぇ余裕だな、おい」
そしてあたしは後ろ向きに抱きつかれるようにして、毛布の代わりに、ハルの身体にすっぽりと包み込まれた。
ひんやりと冷たいハルの身体――。
だけどあたしの肌に触れる部分から、じんわりとした熱が広がっていく。
お腹の前で交差されている、逞しい両腕。
腰に随分となにか熱くて堅いものがあたる。
筋肉だろうか……って、え?
位置的に言えば、え?
今まで以上の緊張感に身体が強張ると、ハルの腕に力が入り、あたしをより強くハルの身体に引き寄せた。
「緊張すんなよ……」
艶っぽい声が、熱い息と共に耳にかけられ、ぞくりとする。
「さっきまでしてただろう? お前、ハジメテのくせに俺のをナカに入れて、気持ちいいって、蕩けた顔で言ってたんだぞ?」
ハルの手が動き、下腹部をいやらしい動きで撫でた。
「俺も……すっげぇ、気持ちよかった」
耳もとに顔を近づけ、鼓膜に浸透するように囁かれる熱っぽい声。
恍惚としたようなその熱があたしの下腹部を熱くさせる――。