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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
 


 わかっているくせに。

 もう、十分わかっているでしょう?



「あたし……」



 捕らえられたのは。

 捕らえられて喜んでいるのは――。



「ハルに抱かれたい……」



 あたしなんだから。




「愛する人に、抱かれたい……」



 きっとあたしは――。




「シズ……」

「ハル……」



 最初からハルに惹かれていた。


 あたしは、すでに……ハルにしとめられていた。





 ハルの鋭いその目が伏し目がちとなり。

 薄く開いたその唇が近づいてくる。


 斜めに傾けられた顔。

 
 男らしい首筋が目に入って、息が上がる――。



「……んっ」



 啄む様なキスをした後、互いの顔が離れた。


 ……絡み合うのは、灼熱の視線だけ。


 ねぇ、ハル。

 物足りないと感じているのは、あたしだけではないでしょう?


 互いの眼差しに吸い寄せられるように、もう一度、触れあうだけで終わってしまったキス――。



「もっと……」



 そんなんじゃ足りないよ。

 こんな上っ面だけのものではなく。


 もっともっと深いところで。

 もっともっと溶け合いたいの。



「ハル、もっと……っ!!」



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