この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第26章 【ピックアップ御礼】その日……。
なんで、なんで、なんで!?
落ち着け、落ち着け、落ち着け。
僕の中でせめぎ合うふたつの心。
ああ、だけど――。
鏡の中の波瑠兄は、なんと挙動不審で女々しいのだろう。
中身が僕であるのなら、ここまで波瑠兄の印象も変わるものなのか。
兄弟だというのに、僕は……波瑠兄のような雄々しさは持ち得ないのだろうか。僕は帝王の血を引くのに、横に並ぶこともできないのか。
「……ふん」
少しばかり、片手を垂直に上げて、力こぶを作って見た。
こぶはできる。
ワイルドな肉体は波瑠兄のままであるらしい。
腹筋も凄い。
肌も僕の白肌とは違い、健康的な褐色のものだ。
以前波瑠兄を目指して日焼けしようとしたら、僕の肌に長時間の直射日光はきつすぎて、ただ赤くひりひりしただけに終ってしまった……あの惨めな真夏日が思い出された。
なんだか嬉しい。
憧れていた体になるのって、嬉しいや。
ピックアップの奇跡!?
「………」
僕の視線は、自ずと下の方へ……。
僕の肉体が波瑠兄であるのなら。
……持久力、ついているってことだよね。
遅漏の醍醐味、堪能出来るんだよね。
しかも波瑠兄自慢の……。
波瑠兄と一緒にお風呂に入らなくなってから、波瑠兄の息子さんがどんな成長を遂げたのか、ゆっくりと鑑賞してはいない。
時折珍客が来て眺めることはあるけれど、隅々までは見ていない。
どきどき。
ゆっくりと、波瑠兄の息子さんとの対話。
帝王の息子さん……王子様?
ふふふ、僕と同じレベル?
それとも僕の甥っ子?
「失礼しま~す。こんにちは~」
………あ。
……おおっ!?
「でかっ……!!」