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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……


 ああ――。


 卑猥な帝王が、とても善良なお兄さんに思える。

 変態王子が、とても儚げな子供に見える。


 なんと、麗しい兄弟愛だろうか。

 なんでこんな場面になっているのかまったくわからないが、互いに励まし合い勇気づけるのは、称賛に値する。


 正月早々、なんて感動的なものを見せて貰ったのだろう。

 願わくば、その内容の詳細を説明して貰いたいけれど、なんだかそれを聞いたらいけないように思うから、聞くのはやめよう。


 だけど、ただこれだけは。
 

「ブラボー、兄弟愛っ!! 行き過ぎて禁断の道に入らないでね」


 その道の方々には、かなり眉唾物となる美形兄弟。

 卑猥と変態が合体すれば、無敵の淫猥さになるだろうが、幼なじみとして人として、どうしてもそんなものの誕生だけは阻止したい。


 拍手しながら先に釘を刺しておいたら、ハル兄から10回ほどチョップを貰った。……過去最大の痛さだ。



「俺様がぶちこむのは、女専門だっ!!」


「え、僕がネコ!?」

「は!? 俺がネコだと思ったのか、ありえねぇだろ!?」


 にゃーにゃーにゃーにゃー兄弟は鳴く。


 メェメェ、メェメェ(ネコは12支仲間ではないので、ひつじには言葉の意味がわかりません)。

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