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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「あたし、ナツ達に謝らなくちゃいけないことがあるの。勝手に小屋に入ってしまったこと。床を汚してしまったこと。お腹が減っていて、とってもおいしいケーキも頂いてしまったこと。本当にごめんなさい。その分、ちゃんと働いて返したいと思うんだけれど、それで許して貰える?」
「しーちゃんも働くの!?」
「お仕事好きなの? 僕と一緒だぁ!」
「しーちゃんが働いている間、ここにいてくれるんだね、嬉しい~」
「お掃除するなら、僕が担当だよ、しーちゃん!!」
「お前はひっこんでろよ。しーちゃんは僕のケーキをおいしいって喜んでくれたんだ。一緒にラブラブお料理しようね。あっち行こう?」
「お洗濯、お洗濯っ!!」
6者6様、しかも直ぐにでも仕事を教えようと全員があたしを連れ出そうと動き始めた。
あたしはさらに言いたいことがあった。
「あ、あのね。あたし一生懸命働くから。だからね、出来ればその……」
あたしは彼らに頭を下げた。
「あたしを、ここに住まわせて下さい。ええとその……無理だったら、森から出られる方法を教えて欲しいの」
ナツ達は互いの顔を見合わせた。
「しーちゃん、ここに住んでくれるの?」
「本当!? じゃあお祝いしなきゃ」
「嬉しい、毎日しーちゃんがいるの!?」
「どうしよう、夢みたい!!」
「イタタタ、僕のほっぺを抓らないでよ。夢じゃないよ」
「洗濯、洗濯!!」
歓迎されているらしいのはわかるが、
「あの、森の出口を教えてくれてもいいんだけど?」
そちらの選択肢を最初から省いているようで、念のため聞いてみる。
「「「「「「森の出口!?」」」」」」
ナツ達は横一列にぴたりと並んで、同様に顔色を変えてガタガタ震え始めた。
「「「「「「それ、どうしてもいわないと駄目?」」」」」」
ブルブル、ガタガタ。
「い、いや……言いたくないのなら、いわなくても良いけれど……」
言わなくてもいいと口にした途端、和やかな雰囲気に戻って、あたしにまとわりついてくる。