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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
悲しみに海に溺れきった6人のナツ。
元気を無くして食欲もなくなり、7人相部屋の各自の小さなベッドから(ハナタレナツだけ少しベッドが大きくて頑丈)出て来なくなり、布団を被ってずっとしくしく泣き続けている。
ドアをあけると、昏くてじめっとした湿気が流れ込み、部屋の片隅にはなんときのこも生えてきてしまった。
無理矢理布団を剥いで、それでなくとも採光しにくいカーテンをあけて、窓をあけじめじめを換気をして、明るい場所でナツ達を見れば、
「なぜにここまで!!」
ぷっくりと膨らんでいた頬もげっそりとしぼんでしまい、泣き腫れた重々しい瞼が痛々しい。
今にも死んでしまいそうなほど、明らかに衰弱していた。
――ハナタレナツ、おかゆを作るから、運ぶの手伝って。
ハナタレナツと共に食事を運んだりして看病しても、ナツ達は食事を取ろうとするどころか、涙をぽろぽろ零しながらあたしに抱きついて甘え、今度はあたしを独占されて孤立化してしまったハナタレナツがしくしく泣き出す。
ああ――。
あたしが彼らの手でイカないせいで、生気もなくなりまとまりもなくなり、このままでは死者が出るという最悪結果にもなるかもしれない――。
な ん で こ う な っ た?
「ねぇ、ナツ(達)。そういう(えっちな)ことは、大人になればわかっていくものなのよ。わからないのは今、ナツ(達)が小さいから。わかりたければ、いっぱい食べていっぱい働いて、まずは元気にならなきゃ」
途端6人のナツが、目にたっぷりと涙を滲ませてあたしを見た。
「「「「「「本当?」」」」」」
衰弱していても、反応のタイミングは同じだ。
「本当、本当。ハナタレナツは、皆よりちょっと大人だったのよ。だから彼より大人になれるように、もっと元気になりましょうね」
どう見ても、ハナタレナツの方が6人のナツ達のすべての能力に劣っているとは思えど、単純思考のナツ達を奮い立たせるにはこの手しかない。