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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 

「ハナタレナツも頑張って、もっと大人になろうね」


「大人……」


 ハナタレナツはなにやら考え出した。

 そしてあたしの腕を引いて、その鼻水をあたしの腕に擦りつけるようにして、言った。


「大人って、どんなひと?」


 ああ、そこからか。

 彼にはそこから教えないといけないのか。


「大人はとにかく大きいひと。あたしより大きくなってね」


 ナツの体長はあたしの頭ほど。

 到底あたしを抜かすことは出来ないとは思うけれど、それでも希望は繋いでおかねばならない。ナツ達の未来のために。


「大人になったら……、子供……出来る?」

「ぶほっ!! ま、まあ出来るわね、大人になったら」


「じゃあ、し、しーちゃんと、け、結婚……出来る?」


 ハナタレナツの飛躍的発想。またもや吹き出しながらも、ハナタレナツの真摯な顔を見て、あたしは柔らかく笑いながら、こくこく頷いた。……そう、子供をあやす気分で。


「大人になったらね」



「「「「「「結婚!?」」」」」」


 その言葉に、6人のナツが食いついた。

 目が飛び出そうな勢いで、全員がびしっと一列になってあたしの顔を覗き込んでくる。


「「「「「「大きくなって大人になったら、しーちゃんと結婚できるの!? 子供、出来るの!?」」」」」」

「え、えぇ」


「「「「「「ふぉぉぉぉ……」」」」」」


 6人の感動は凄まじい。

 今まで澱んでいたココア色の瞳は、キラキラと硝子玉が光りに反射しているかのように輝きだした。

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