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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「「「「「「「しーちゃんと、結婚♡」」」」」」」
夢は、生きる力になるのだから。
「その前には、皆が大きくなってね。元気になって、またあたしにお仕事教えてね」
明るい未来へに続く、そんな希望。
夢見られれば、ナツもきっと元気になる。
「「「「「「「うん!!」」」」」」」」
ほらね、もう大丈夫。
……妖しく目を輝かせるナツ達に気づかずして。
そしてナツ達は、見る見る間に気力と体力を回復した。
元気溌剌とした可愛い姿が復活したんだ。
ある日のキッチン――。
高い踏み台に立って、あたしと同じくらいのいの身長になった赤ナツが、銀のボウルに入れた粉と卵を泡たてながら、隣で見ているあたしに言った。
「しーちゃん、ケーキのスポンジはね、こうやって身体を全部使って、リズムよ~く、ま~ぜ、ま~ぜ」
ふ~り、ふ~り。
赤いズボンに覆われた可愛いお尻が、言葉と材料を泡たてる手のリズムに合わせて左右に揺れる。
「しーちゃんのえっち!! 僕のお尻見ないでよ、恥ずかしいじゃないか。もぅ~、しーちゃんの番だよ、まぜまぜして?」
裁縫部屋――。
床に隣り合って座り込んだあたしと青ナツ。
ふたりの膝には、大きな白い生地が広がり、そこに煌めく銀糸で、綺麗な薔薇の花の模様の刺繍を施していく。
「しーちゃん、刺繍はね、ひと針ひと針に愛情を注ぐんだよ。こうやって、ち~く、ち~く」
ふ~り、ふ~り。
針を操る小さな手が、言葉のリズムに合わせて、左右に揺れる。
「もぅ~、しーちゃん僕のおててひっぱらないでよ。身体に刺しちゃったら痛いじゃないか。さあしーちゃんの番だよ、あちこち綺麗な薔薇を咲かせてね」