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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
いやらしくなってしまったあたしの身体がナツのこの艶めいた声に反応している。
開発されたばかりのあたしの身体は、ナツを求めて疼き出してくる。
「食事したら、身体を洗って上げる。ああ、愛し合った証拠のそのシーツも昨日着ていたドレスと一緒に洗濯しないとね。あとは、体力がつくお野菜を刈り取って調理して、ぎしぎしと軋むベッドの強度も調整しないと。ふふ、だけどちゃんとしーちゃんを愛すことを優先にするからね。ああ、僕が作ったドレスに着替えるかい? まあすぐに脱ぐことになろうけれど……」
ナツは、まるで今までをひとりでこなしてきたかのように言う。
もとから、あの可愛いナツ達はいなかったというように。
――しーちゃん!?
――しーちゃんだあ。
――しーちゃん♡
――ねぇ、しーちゃん!!
――しーちゃん、あのね。
――しーちゃん大好き!!
色取り取りのお洋服を着た可愛いナツ。
あたしだけを見て、全力で大好きを表現してくれたあのナツが、あたしから消え去ってしまう。
ここにいるのは、誰かのもとに行ってしまうかもしれない、美貌の王子様。
そしてあたしはこの森のこの家で、いつ戻るかわからぬ、いいえ、永遠に戻ってこないひとを待つのだろうか。
……たったひとりで。
「しーちゃん、はい。僕のお膝に乗って?」
ナツは、あたしがかつて小さなナツにしていたかのように、甲斐甲斐しく面倒をみようとする。
こちらの羞恥も戸惑いも全て笑顔で押さえつけて、シーツを巻いたままの格好のあたしを膝に置くと、後ろからあたしの口に匙でスープを差し込む。
「あつ……」
「ああ、ごめんね。だったら冷たいお水……ん……」
あたしにコップを渡す直前、なにやら考え込んでいたナツは、コップに入っていた水を自分の口に含んでしまう。
そして片手であたしの顎を摘まんで横を向かせると、とろりとした顔を近づけて、口移しであたしに飲ませた。
熱い口の中に、ナツの舌と共に冷水が送り込まれる。
思わず反射的に飲み込んだあたしを見て、ナツは嬉しそうに微笑むと、口端から垂れた水を舌で掬い取るようにして、あたしの唇全体をべろりとなめた。