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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
驚いて立上がったあたしを見て、サクラの眼鏡の奥の目が真ん丸に開いた。驚愕に顔をそむけるならまだしも、凝視しているのを感じたあたしは、悲鳴をあげてサクラを突き飛ばそうとして…、あたしの方が躓(つまづ)いて、後方に倒れた。
「危な……っ」
あたしの腕を手前に引いたサクラに覆い被さるようにして倒れ込んだあたし。サクラはあたしを下から抱きしめたまま、浅瀬に背をぶつけてしまう。
「う……っ」
「ちょっと、大丈夫!? ねぇ!!」
必死にぺちぺちとサクラの頬を叩けば、サクラが目を開く。
そして――。
「あ、あんた、あ、あ……っ」
その視線の先には、サクラに馬乗りしている裸のあたし。
今度は上半身だけではなく、下半身も見られた。しかもそれだけではなく、全裸の状態で……触れているところが、その……サクラの……。
「………」
「………」
「……反応しちゃった?」
「そこは、無視しとくとこだろう!? 男の生理現象、なんだよっ」
ああ、何だろう。
真っ赤な顔で狼狽えるその姿に、なにか既視感を覚える。
「あたしが悪いよね。ちょっとどけ……ああっ」
「ちょっ!! そこで、なんで俺の上に転……」
またもや転んだあたしが、サクラに覆い被さった時だった。
「サクラお前、なにをしてるんだ――っ!?」
空気を震わすようなナツの怒声と共に、あたしの身体が宙に浮き、そしてサクラが吹っ飛んでしまったのは。
ナツだった。
汗をかいて髪を振り乱して。
その顔立ちは美妙な輪郭を描きながらも、どこまでも険しい。