この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……
「ナツ……」
あたしはナツの濡れた頬に、何度も何度も唇を落とした。
純粋で綺麗な雫を唇で吸い取るように。
「ごめんね…。不安にさせちゃって、泣かせちゃってごめんね……」
キスを落とす度に謝った。
いつもあたしは、ナツを傷つけてしまう。
ナツを泣かせたくないのに、昔からナツは泣いてばかりだ。
ナツはあたしの腰に両手を回して、しゅんと目伏し目がちにした。
「僕の方こそ、ごめんなさい。怒鳴って無理矢理……。僕、しーちゃんとそんな結ばれ方はしたくはないのに……」
そして視線が絡む。
至近距離で見つめ合う。
「これだけは信じて。僕はしーちゃんであるならば、どんなしーちゃんでも好き。しーちゃんに隣にいて貰いたくて、必死になっている。僕は自分の意志で、しーちゃんを選んでいるんだ、僕にとって眩しいばかりの、高嶺の花を。場違いなのは、僕だといつも思ってる」
「そんなこと」
「しーちゃんがいい」
「ナツ……」
「それ以外はいらない」
外せない視線。
揺れて止らない瞳。
ナツがたまらないというように目を細め、そして喘ぐような吐息を漏らしたのはあたしで。
見つめ合ったまま、唇が重なった。
「ふぅ……んっ、ぁ……」
「ん……舌……絡めて。もっと……しーちゃん……」
おずおずと……相手の反応を見計らうかのような動きが、やがて確信じみた獰猛な動きに変わる。
お互いから、鼻に掛かったような甘い声が漏れ、さらに興奮を煽り立てるような水音が静寂な空間に響き渡る。
「あ……ん……ぁ……ナツ…んんっ」
「可愛い……こんなに可愛いんだよ。しーちゃん……ああ、たまらない…」
ナツの両手があたしの後頭部をがっしりと掴み、何度も何度も角度を変えて、やがてあたしを床に押し倒し、上から覆い被さるように、深くて性急なものに変わりゆく。
止らない欲情。
走る快感。
キスだけであたしの秘部はどろどろだった。
もどかしげに動くあたしの足を感じているくせに、ナツの手は伸びない。
あくまでキスだけに没頭している。
口の中とは、ここまでに快感が凝縮されている場所なのだろうか。
ナツの舌になぞられた口内は、どこまかしこも気持ちよすぎて、秘部をかっと熱くさせ、子宮を疼かせる。