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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……
 
 ぬるぬるとした舌があたしの舌に触れる度に、また新たに鮮烈な快感を芽生えさせる。

 直結したように腰にじんと痺れくる気持ちよさは、押し寄せる波のように途切れることがないのに、どれも決定的な刺激の強さとはならず、ただもどかしさを募らせるばかり。

 快楽を知るあたしの身体は、果てに押し上げる雄々しさを求めて、濡れて蕩けて淫らに動く。

 それをナツは見抜いているくせに、焦らすように舌の動きに強弱をつけて、あたしの反応を楽しんでいるようだ。


 ずるい。


 あたしばかり気持ちよくなって。

 ナツばかりが余裕で。


 ナツはこの先に進みたくないの?


「ナツ、んん……ナツ……ぅ」


 あたしからナツの舌をじゅるじゅると吸い、発散しきれないこのもどかしさを伝える。

 
「ん……まだだぁめ。もっと……乱れて、感じて」  


 ナツは意地悪げに笑うと、わざと唇を少し離して舌を伸ばし、流し目で誘うようにいやらしく舌を動かした。

 その舌が欲しい。絡めたい。

 気づけばあたしの舌も淫らに動いて、ナツの舌に自分からいやらしく絡ませていた。

「しーちゃん、すごくえっちな顔してる」

 ナツはすでに挑発的で妖艶な顔つきとなり、綺麗にしくしくと泣いていた19歳とは思えない。

 あたしを翻弄させる、ひとりの成熟したオトコだ。

 あたしのメスの部分を引き出すことができる、魅惑的なオトコだ。


 その現実を見せつけるように、わざとあたしの羞恥を煽る優位性を見せつけて、卑猥な舌先だけで翻弄されるあたしを自覚させる。

 年も環境も制約もなにも関係ない、ナツをオトコとして求める、ただのオンナにしかすぎないと。

 そんな淫らなオンナに、ナツは主張する。


 自分はどこまでもオトコだと。

 子供ではないのだと。


 片手でコートのボタンを開け、そのズボンの盛り上がりを……あたしの恥部に押しつけながら。

 そして、挿入を錯覚させるように、腰を淫猥に動かし始める。


 下着とナツのスボンに阻まれ、鈍く抉られるあたしの秘部は、熱と潤いを強めただけでもどかしくてたまらない。


 もっと強く。もっと熱い猛りで奥まで貫いて欲しい。

 そう思うのに、ナツはしてくれない。


 ただ股間を押しつけて、欲情した熱い目であたしの顔を真上から覗き込むだけ。

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