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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「さっき、鷹を使った俺からの連絡を受け、必死にハルさんが動いている。ハルさんの動きにより、王妃は近くここにやってこざるをえなくなる」
「え……?」
「あんたは、この鏡の間でナツに愛されたんだろう?」
「え、は……っ!?」
突然直球でされた質問に真っ赤な顔で狼狽えると、なぜか質問したサクラも真っ赤になって狼狽え始める。
そしてサクラがやけにわざとらしい咳払いをして、顔をきりりとしたものに整えて、あたしに言った。
「ナツの抵抗……"見せつけ"に、意味をもたせてやる」
「見せつけ?」
「ああ。あんた達の愛し合う姿は、とりわけ成長したナツが白雪姫と交わる姿は、鏡を通して監視しているはずの王妃に、筒抜けだったろうよ」
「はぃぃぃぃ!?」
「そして魔力を反射させて一点に凝縮できるこの鏡の間で、今はナツを滅ぼす毒にしかならない"くし"に代わる魔力を、ナツにぶつける。そしてくしの魔力を相殺させるんだ。それが残された、ただひとつの"可能性"だ」
サクラの、利発さを強調させる眼鏡のレンズが、きらりと光った。