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【SS】目が覚めたら…?
第3章 Ⅱ.ナツと……
「ぁ……ああ、ん……あ……」


 欲しくて欲しくてもう引き攣った声しか出来ないあたしもまた、ナツが欲しいという蕩けた顔で、もどかしい快感を表情と喘ぎで伝えているのだろう。


 あたしが声を上げる度、ナツの目が苦しげに細められる。


「強情」


 ナツがとろりとした瞳で言った。


「欲しいんでしょう? 僕の……」


 ああ、ドン、ドンと……荒く突かれる。

 その震動があたしの快感を鈍く伝える。


「ナツは……欲しくないの?」


 ああ、欲しい。

 ナツのが欲しい。  
 

 情欲に満ちたため息が、交互にあたし達から漏れる。

 

「しーちゃんが求めてくれたら」

「……ナツが求めてくれないと、求めない」


 するとナツは困ったように、眉毛を八の字にさせた。


「しーちゃんに求められたい。オトコとして……」

「ナツに求められたい。オンナとして……」


 抱える気持ちは同じなのに、なぜかあたし達は意地を張る。

 繋がりたい部分は既にその意思表示をしているかのように、相手の動きに合わせて、素直にいやらしく動いているというのに、意志がそれを邪魔をする。


「なんで……求めてくれないの?」

「だから……ナツが求めてくれれば……。いつもみたいに言って?」


 切実な視線を絡め合わせたまま、唇が重なる。

 唇を割るように絡む舌は素直に、荒々しいほど強く求めていることを表現するのに、"欲しい"という自己表示だけができない。

 求めさせたいのだ。

 異性として――。

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